アネマリ結婚相談所の宮崎なおです。
最新のIBJ成婚白書(2022年度版)から、成婚の秘訣を探るシリーズ。
ここまで、IBJの【年齢別】の成婚までの期間や、申込・申受数とお見合い回数をみてきました。
あくまで成婚者に限ったデータですが、「婚活の難易度は年齢によって変わってくる」ことは何となくでもお分かり頂けたかと思います。
年齢が上がると、結婚するまでにかかる期間も長くなるし、
年齢が上がると、申受数↓申込数↑お見合い回数↑で、結婚までの労力もUP
今回は、はたして年齢別でどれだけ成婚しやすい(しにくい)のか、「年齢による婚活難易度の違い」を具体的に数値化したものをみていきます。
IBJによる「成婚しやすさ」という指標で説明します
IBJの「成婚しやすさ」とは?
まずはじめに、IBJによる「成婚しやすさ」とはなんなのか?
結論からいうと、
- 入口と出口の割合の変化をみたもの
- 100%なら「平均レベル(全体平均と同じ)」
- 100%超えなら「しやすい(全体平均より高い)」
- 100%未満なら「しにくい(全体平均より低い)」
- 「しやすさ」の比=「成婚率」の比
ということです。
今からこのロジックを解説しますが、興味のない方は↑だけ覚えて次の章にスキップしてお読み頂いても構いません。
IBJ成婚白書では、「しやすさ」を以下のように説明しています。
「しやすさ」とは活動会員数における各年代の比率を分母とし、成婚者における各年代の比率を分子として表したもの(100%が平均)
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「成婚しやすさ」の計算方法
・成婚者10人のうち、20代の成婚者が3人
⇒成婚者のうち20代が30%を占める
・活動者数20人のうち、20代の活動者が5人
⇒活動者のうち20代が25%を占める20代の「成婚しやすさ」は、30%÷25%で『120%』となる。
IBJ成婚白書より
これを読んでもいまいちピンと来ない、という方のために、もう少し分かりやすく図解してみました。
簡単にいうと、IBJの「●●しやすさ」とは入口と出口の割合の変化です。
入口と出口は、自分の頭に入りやすい例で好きに置き換えてみましょう。
A・B・Cチームの脱出ゲームの全参加者(入口)と脱出できた人(出口)とか?
A組・B組・C組の高校の全生徒(入口)と大学進学者(出口)かなぁ
IBJだと、A・B・Cという年齢層の活動会員(入口)と成婚者(出口)となります。
さて、上の図では、入口の100人が出口では50人に減っており、出口に出られた割合は50%。
とある高校の大学進学率で例えると、学年全体の大学進学率が50%だったということです。
ここでもし、どのクラスも同じ実力であれば、各クラスから半分ずつが大学に進学し、入口と出口で各クラスの人数の割合も同じままになるはずです。
しかし、現実はそうではない。
Aクラスからは半数(40人→20人)が大学に進学しましたが、Bクラスは半数よりも多く(30人→18人)、Cクラスは半数よりも少ない(30人→12人)結果となっています。
それに伴い、出口における各クラスの人数割合も、Aクラスは入口と同じ(40%→40%)ですが、Bクラスは入口より多く(30%→36%)で、Cクラスは入口より少ない(30%→24%)割合となっています。
このように、全体における入口から出口への減少率に比べて、各チームがどれだけ上回る(下回る)かをみたもの、それがIBJの「しやすさ(しにくさ)」という指標なのです。
Aチームのように、入口での割合が出口でも等しく維持されている場合、「しやすさ」は100%と算出されます。
しやすさ100%とは、入口と出口とで割合が増えも減りもしていないということであり、この時、チームの人数の減り具合は全体の減り具合と等しい関係にあります。
Aチームは全体と同じように減っているから、出口での割合も変わらないんだね
つまり、しやすさ100%とは、そのチームのレベルが全体平均と全く同じ(平均レベル)であることを意味します。
Bチームのように、入口での割合より出口での割合が方が大きい場合、「しやすさ」は100%超えと算出されます。
今回のBチームの場合は、しやすさ120%です。
しやすさ100%超えとは、入口から出口にかけて割合が増えているわけなので、どちらかというと「しやすい」。そのチームのレベルが、全体平均を上回っていることを意味します。
Cチームのように、入口での割合より出口での割合の方が小さい場合、「しやすさ」は100%未満で算出されます。
今回のCチームの場合は、しやすさ80%です。
しやすさ100%未満とは、入口から出口にかけて割合が減っているわけなので、どちらかというと「しにくい」。そのチームのレベルが、全体平均を下回っていることを意味します。
さて、IBJの「成婚しやすさ」は入口と出口の割合を用いて算出しますが、そもそも【割合】なんかではなく【人数】が分かれば、成婚率が出せるんじゃない?と思った方。
その通りです。
ここでいう成婚率の定義を「年間の活動会員に対する成婚者の割合」とするなら、入口(活動会員)と出口(成婚者)の【人数】さえ分かれば、成婚率が出せるのです。
しかし残念ながら、成婚白書ではこの実際の人数は明らかにされていません。
ただ、この成婚率も結局は「しやすさ」をベースに計算された値。
当たり前に感じる人もいるかもしれないが、あえて詳しく説明してみると…
今回、[しやすさの比]と[●●率の比]が同じになったが、それは偶然ではない。[●●率の分解]の通り、各チームの[●●率]は、各チームの[しやすさ]に全体の増減率(出口総数÷入口総数)という同じ値がかかって算出される。
つまり、「しやすさ」と「成婚率」の比は、いつだって同じになります。
成婚率自体は判明しないにしても、年齢層によって成婚率がどれだけ異なるかは「しやすさ」から把握できるのです。
「成婚しやすさ」が2倍違えば、「成婚率」も2倍違うということか
- 入口と出口の割合の変化をみたもの
- 100%なら「平均レベル(全体平均と同じ)」
- 100%超えなら「しやすい(全体平均より高い)」
- 100%未満なら「しにくい(全体平均より低い)」
- 「しやすさ」の比=「成婚率」の比
年齢と成婚しやすさの関係
では、本題の「年齢と成婚しやすさ」をみていきましょう。
「成婚しやすさ」の算出に使う【分母】は活動会員。成婚白書によるとその年齢分布は以下の通りです↓
活動会員のボリュームゾーンは、女性は30代、男性は30代後半〜40代前半ですね!
「成婚しやすさ」の算出に使う【分子】は成婚者。成婚白書によるとその年齢分布は以下の通りです。
成婚者は、男女とも半数を30代が占めてる。特に女性は成婚者の6割が30代なんですね!
これら分布を使った「年齢別の成婚しやすさ」の計算結果が以下の通り。赤い線(100%)が平均ラインです。
これをみると、男女ともに年齢を重ねるごとに成婚しにくくなることが分かります。
世間では「女性は歳を取ると結婚が難しくなる」と言われますが、女性に限ったことではなく、男性も同様なのだと分かりますね。
男も、ゆっくりはしてられないんだな
男性の場合、最も成婚しやすいのは30代前半、最も成婚しにくいのは60代以降。
成婚しやすさが100%(=全体平均)を超えているのは、
- 25〜29歳(153.7%)
- 30〜34歳(171.3%)
- 35〜39歳(130.1%)
です。
40〜44歳で平均水準となり、40代後半以降は歳を取るごとに成婚しにくさが増していくことが分かります。
もし、30代で婚活を迷っている男性がいたら、1歳でも早く婚活を始めることが成婚の秘訣。
また、40代以降であれば、年々成婚が難しくなること、若い頃よりもますますの努力が欠かせないことを自覚して婚活に取り組むことが不可欠といえるでしょう。
女性の場合、最も成婚しやすいのは20代、最も成婚しにくいのは60代以降。
成婚しやすさが100%(=全体平均)を超えているのは、
- 20〜24歳(160.7%)
- 25〜29歳(153.7%)
- 30〜34歳(130.4%)
です。
35〜39歳で平均水準となり、40代以降は歳を取るごとに成婚しにくさが増していくことが分かります。
成婚しにくくなるタイミングが男性よりも早くきてしまう…
そうです。歳を取るにつれて成婚しにくくなるのは男女共通ですが、相対的にはやはり女性の方が若さを求められることが分かります。
女性はとにかく1歳でも若いうちに婚活を始めることがスムーズな成婚のための秘訣。
40代からの婚活にはある程度の覚悟が必要で、20代・30代の時のスタンス(受け身、待ちの姿勢)を捨て去る必要も出てくるでしょう。
年齢で成婚率はどれだけ変わってくるのか?
成婚白書では成婚率までは明らかにされていませんが、年齢が変わると成婚率(※)がどれだけ違ってくるのでしょうか?
※ここでの成婚率は、活動会員数を分母としたものです。
30代前半の「成婚しやすさ」を“1”として、他の年齢との比を出してみました。
先に説明した通り、成婚しやすさの比は成婚率の比と一致するので、表中の「★比」は、成婚率の違いとも言い換えられます。
30代前半を基準として、どう上がるか下がるか?です
年齢 | 成婚しやすさ | ★比 |
---|---|---|
〜24 | 42.3% | 0.25 |
25〜29 | 153.7% | 0.90 |
30〜34 | 171.3% | ★ |
35〜39 | 130.1% | 0.76 |
40〜44 | 98.4% | 0.57 |
45〜49 | 68.9% | 0.40 |
50〜54 | 43.5% | 0.25 |
55〜59 | 39.4% | 0.23 |
60〜 | 33.4% | 0.19 |
年齢 | 成婚しやすさ | ★比 |
---|---|---|
〜24 | 160.7% | 1.23 |
25〜29 | 153.7% | 1.18 |
30〜34 | 130.4% | ★ |
35〜39 | 99.1% | 0.76 |
40〜44 | 73.8% | 0.57 |
45〜49 | 54.1% | 0.41 |
50〜54 | 54.3% | 0.42 |
55〜59 | 47.7% | 0.37 |
60〜 | 33.5% | 0.26 |
これをみると、
男性の成婚率は、30代前半を基準として、30代後半では約2.5割減、40代前半では約4割減、40代後半になると6割減となります。
40代になる前に何とか決めたい
女性の成婚率も、30代前半を基準として、30代後半では約2.5割減、40代前半では約4割減、40代後半になると6割減となります。
というか、20代女子最強
巷でよくいわれる「婚活では、年齢は本当に大事だよ」というのは、決して感覚的な話ではありません。
数字がこうしてはっきりと証明しているのです。
誤解しないでほしいのが、「●歳だから、あなたはもうダメ」ということが言いたいわけではないということ。婚活を始めるタイミングには、それぞれ事情があろうかと思います。
ただ、自分の年齢に無自覚なまま婚活に参戦してしまうこと、そして「なんとな〜く」「マイペースに」に婚活しながらさらに年を重ねてしまうこと。
これは本当にリスクの高い行為であるということを、胸に刻んでおいてほしいと思います。
以上、年齢と成婚のしやすさ、成婚率の変わり方の解説でした。
次回は、学歴と成婚しやすさについて解説予定です。