アネマリ結婚相談所の宮﨑なおです。
2022年6月、株式会社IBJより成婚白書(2021年度版)が公開されました(プレスリリースはこちら)。
この成婚白書は、2021年度(1-12月)にIBJで成婚した9,987名の実績と傾向をまとめた最新版になります。
今回は、IBJ成婚白書のデータから「IBJの成婚者と退会者の違い」、少し言い方を変えると「IBJの結婚相談所で結婚できる人とできない人の差」にフォーカスし解説してみたいと思います。

スペックのせいにする前に、見直してみて頂きたいことがあるのです。


なお、成婚白書には平均値・中央値・最頻値がありますが、違いは以下の通り。ここでは主に中央値でみていきます。
いずれもデータ全体の特徴を表す値ですが、それぞれに得意・不得意があります。
【平均値】
すべての数値を足して、数値の個数で割ったもの
・メリット:すべての値が反映される
・デメリット:極端な値があった場合に大きく影響を受ける
【中央値】
数値を小さい方から並べた時に真ん中に来るもの
・メリット:極端な値の影響を受けづらい
・デメリット:データ全体の変化や比較には向かないこともある
【最頻値】
一番個数が多いもの
・メリット:極端な値の影響を受けづらい
・デメリット:個数が少ない場合は使えない。区間の幅によって結果が変わることもある
IBJの典型的な成婚者像
まずはこちらをご覧ください。
IBJの典型的な成婚者像(中央値)を図にまとめました。

典型的な成婚パターンとして、男性は38歳前後/女性は35歳前後で、お見合いを10回前後行い、5名前後と交際し、4ヶ月前後の交際を経て成婚退会するというもの。トータルの在籍期間は9ヶ月前後。ちなみに、成婚男性の年収は600万円台。
いかがでしょうか?
相談所での婚活が未経験の方々は、結婚相談所特有のスピード感や効率性に(良くも悪くも)驚かれるもしれません。
一方で、これから相談所で婚活始める勢、あるいは、すでにIBJで活動中の方にとっては、

39歳の私はやっぱりもうダメ?

年収400万台じゃ無理ゲーかよ!

かれこれ2年活動してる私は、諦めるべきだと?

お見合い30回以上してる俺、終わってんなぁ…
など、色々と不安を感じられるかもしれませんね。一旦、落ち着いてください。
これらはあくまで「データ全体を一つの数字で表すならこうなるよ」という代表値。当たり前ですが、40歳以上でも、年収400万円未満でも、活動2年以上でも、お見合い回数30回以上でも成婚する人はいて、それらが含まれた結果です。
「●●だからOK/NG」という単純な指標ではなく、退会者データと比べることでより有意義な使い方ができると考えます。
IBJの典型的な退会者像
では、同じ指標で、IBJの典型的な退会者像をみてみましょう。

典型的な退会パターンとしては、男性は42歳前後/女性は36歳前後で、お見合いを3〜4回して、1名と交際し、成婚に至らず中途退会していきます。トータルの在籍期間は1年前後。ちなみに、成婚男性の年収は500万円台。
成婚パターンと比較した場合、年齢は、男性は4歳前後/女性は1歳前後と上昇し、男性の年収もレンジ(幅)で100万円程度下がります。
やはり、結婚するなら少しでも若いに越したことはないですし、(男性は)少しでも年収が高い方が有利なのはいうまでもありません。
が、しかし!
冷静にみてみると、成婚者と退会者で、年齢や年収には思ったほど大きな開きはないと思いませんか?
たった数歳差、せいぜい100万円です。これらが成婚の成否を大きく分けているのでしょうか?

確かに、35歳と36歳で劇的に結果が変わるとは思えない

年収100万円upはしたいが、ビビるほどの差じゃないのも確か
成婚者と退会者の大きな違い
そうなんです。注目して頂きたいのは、年齢や年収等のスペック面ではなく、お見合い回数や交際人数、その在籍期間とのバランスといった行動面の方なのです。
成婚者と退会者の行動を改めて比較してみます。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比 (退÷成) |
---|---|---|---|
年齢 | 38歳 | 42歳 | – |
年収 | 600-700 万円 | 500-600 万円 | – |
お見合い数 | 11回 | 3回 | 27% |
交際数 | 5名 | 1名 | 20% |
在籍日数 | 301日 | 386日 | 128% |
お見合い頻度 | 27日毎 | 128日毎 | 4.7倍差 |
男性の場合、成婚者に比べて、退会者のお見合い回数は27%、交際人数も20%と少なく、結果としてたった一人としか交際せずして中途退会、にも関わらず成婚者よりも長く在籍しているのが典型的パターン。
在籍日数の違いを考慮し、お見合い頻度に換算(在籍日数÷お見合い回数)してみると、成婚者が27日毎なのに対し、退会者は128日毎と、約4.7倍の開きがある(退会者の方が消極的である)ことが分かります。
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比 (退÷成) |
---|---|---|---|
年齢 | 35歳 | 36歳 | – |
お見合い数 | 10回 | 4回 | 40% |
交際数 | 4名 | 1名 | 25% |
在籍日数 | 244日 | 311日 | 127% |
お見合い頻度 | 24日毎 | 78日毎 | 3.3倍差 |
女性の場合も概ね同様で、成婚者に比べて、退会者のお見合い回数は40%、交際人数も25%と少なく、結果としてやはりたった一人としか交際せずして中途退会、にも関わらず成婚者よりも長く在籍しているのが典型的パターン。
在籍日数の違いを考慮し、お見合い頻度に換算(在籍日数÷お見合い回数)してみると、成婚者が24日毎なのに対し、退会者は78日毎と、約3.3倍の開きがある(退会者の方が消極的である)ことが分かります。
退会者は、成婚者に比べてスピード感や行動量が足りていない傾向があるといえそうです。

単にお見合いが成立しづらく行動に至らなかった可能性も否めませんよね。容姿とか…数字に出ないスペックもあります。やっぱり結局はスペックの問題に戻りませんか?

卵が先か鶏が先か、どっちなんですか!
お見合いの申受数と申込数の違い
それでは、お見合いを組むためのKPIともいえる、申込数と申受数をみていきましょう。
※申受=お相手から申込みされること。

↑成婚者の申受数(中央値)は、男性36回/女性77回。申込数は、男性44回/女性25回。

↑一方、退会者の申受数(中央値)は、男性6回/女性49回。申込数は、男性32回/女性15回。
仮に平均値でみたとしても、成婚者>退会者という傾向は変わりません。これまで同様、中央値を使って説明します。
数字を抜粋して、以下の表にまとめました。
まずは、申受数から。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 301日 | 386日 | 128% |
申受数 | 36回 | 6回 | 17% |
頻度 | 8日毎 | 64日毎 | 8倍差 |
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 244日 | 311日 | 127% |
申受数 | 77回 | 49回 | 64% |
頻度 | 3日毎 | 6日毎 | 2倍差 |
男女ともに、退会者は成婚者に比べて申受数が少ないこと(=人気がない可能性)は否めません。
在籍日数の違いを考慮し、頻度に換算(在籍日数÷申受数)してみると、男性は成婚者の8倍悪い、女性は成婚者の2倍悪いということがみてとれます。

ほら、人気がなくて申し込まれないからお見合いも成婚もしづらい!
確かにそうともいえます。
しかし、であるならなおのこと、その不人気を補う努力が必要です。
では、その分、申込数でカバーできているのでしょうか?
以下の表をご覧ください。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 301日 | 386日 | 128% |
申込数 | 44回 | 32回 | 73% |
頻度 | 7日毎 | 12日毎 | 1.7倍差 |
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 244日 | 311日 | 127% |
申込数 | 25回 | 15回 | 60% |
頻度 | 10日毎 | 21日毎 | 2.1倍差 |
申込数に関しても、男女ともに退会者は成婚者に比べて少ないという結果になりました。
在籍日数の違いを考慮し、頻度に換算(在籍日数÷申受数)してみると、男女ともに成婚者の約2倍前後悪いようです。
申受数はアンコントローラブルだとしても、申込数はコントローラブルなもの。自分が申し込むかどうか、ただそれだけのはずです。
結局、申受もないのに、行動(申込)も足りてない。
これが多くの中途退会者の実情なのではないかと思います。
※ちなみに、成婚者は必ず真剣交際期間(申込不可期間)を最低1ヶ月は経ていますので、実際に申込ができた日数は在籍日数よりも少なく、実質的な申込頻度はもっと濃い(退会者との差はもっと大きい)と予想されます。
中途退会=ネガティブか?

私の友達はアプリで結婚相手見つけて相談所やめましたよ

中途退会者=結婚できない人、とは言い切れません。単に相談所で頑張る(申込む)必要がなかったのかも?
おっしゃる通り。中途退会者=結婚できない人というわけではありませんし、中途退会が必ずしもネガティブなことだとは思いません。
例えば、結婚相談所で活動していても、マッチングアプリや友達の紹介でお相手が見つかり、晴れてIBJをやめていく人もいます。
そもそもですが、結婚するもしないも個人の自由、そこに優劣などありません。相談所で活動してみて初めて独り身の良さを実感し、婚活に終止符を打つ人もいるでしょう。
こうした前向きな中途退会もあることは、重々承知の上。
しかしながら、そうした人たちは中途退会全体の一部に過ぎないのも事実。
つまり、成婚白書の退会者像が指し示すのは、主にそうでない方の、ネガティブな理由で退会した人たちの行動パターンである可能性が高いのです。
なお、退会する人たちを批判したいわけではありません。
ただ、これからIBJで活動を始める人や活動中の人にはある程度の覚悟を持って臨んで頂きたいですし、IBJの相談所を退会しようとしている人には「自分はやれるだけのことをやり切ったのか?」の振り返りをして頂きたい。
そう切に考えます。
申込んでもお見合いにならない、その理由と改善点

まずは行動量(申込)ということは分かりました!
ただし、がむしゃらに申し込んでも、ベースが整っていなければ結果は出ません。

ベースが整っていない状態とは!?
❶写真が悪い
❷自己PRに問題あり
極論ですが、ゼロに何をかけてもゼロにしかならないように、どんなにお申込みを頑張ったところで、写真と自己PRがダメダメなら、なかなかお見合いには結びつきにくいのです。
いま一度、確認してみてください。
あなたはもしかして、以下のようなお見合い写真で戦っていませんか?
・スナップ、自撮り、アプリの加工、明らかに過去の写真
・笑顔じゃない表情
・暗い背景
・古臭い背景
・黒/グレー/茶/ベージュ系の服(女性の場合)
IBJでお見合い承諾率を少しでも上げたいのなら、今すぐ写真を改善しましょう。
・プロによる写真
・普段以上の笑顔
・明るくイマドキ感のある背景
・屋外の緑やブルー、自然光を取り入れたロケ撮影
・白/赤/ピンク/青/ブルー/黄系の鮮やかor淡い色の服(女性の場合)
あなたはもしかして、以下のような自己PRで戦っていませんか?
・3-5行の短文、あるいは過度な長文
・とりとめのないポエム、自己陶酔な文章
・条件提示や自分本位な内容が多い
IBJでお見合い承諾率を少しでも上げたいのなら、今すぐ自己PRを改善しましょう。
・性格や人柄/仕事/趣味など、人物像が捉えやすい文章
・結婚観や理想の夫婦像、家事や生活への考えも書かれている
・自己開示や相手視点の内容が多い
年齢や容姿、経歴等のスペック部分は、今さらどうしようもないことが多いです。
しかし、ここでお伝えした、
❶写真が悪い
❷自己PRに問題あり
の2点は、年齢や経歴などのスペックに関係なく、誰でもすぐに改善できて、なおかつ、即効性も高いもの。

申込を頑張る前に、まずは最低限のベース(写真・自己PR)を整える

そしてどんどん申し込む!
そもそも、お見合い申込の平均成立率は6%程度。15-16人に申し込んでやっと1名成立するレベルなのです。
少し断られたぐらいでめげないこと。
スペックを嘆く前に、婚活を諦める前に、やれるだけのことはやってみませんか?
まとめ
- 成婚者と退会者の「年齢・年収」差は、数歳・100万円程度
- 成婚者と退会者の「お見合い数・交際数」には、3〜5倍の開き
- 成婚者と退会者で大きく違うのはスペックよりも行動量
- 退会者は成婚者より申し込まれない(不人気)傾向
- そして、退会者は成婚者より申し込まない(消極的)傾向
- 退会者の申込は成婚者の1/2程度と少ない
- 成婚に一歩近づくためには、まず申込を積極的に行うこと
- その前に、写真と自己PRも整えておこう
以上、成婚白書より、成婚者と退会者の違い、ひいては積極的にお見合いを申し込むことの大切さを解説しました。
もちろん、申込さえ頑張れば成婚できるというほど簡単な話ではありません。
しかし、まずは何よりも申込。成婚者と退会者との違いはまず行動量にあるということはお分かり頂けたのではないでしょうか?

「申込は頑張ってる、お見合いも組めてる。でも婚活がうまくいかない」その問題点と改善方法については、またの機会に解説します。
次は、IBJ成婚者の年齢別の活動期間(成婚までにかかった日数)に迫ります!