アネマリ結婚相談所の宮崎なおです。
2023年5月、株式会社IBJより成婚白書(2022年度版)が公開されました(成婚白書はこちらから)。
この成婚白書は、2022年度(1-12月)にIBJ内で成婚した11,269名の実績と傾向をまとめた最新版になります。
あれ?IBJのサイトには2022年のIBJ内の成婚数12,437名って載ってたけどな
成婚白書では、会員情報の不備・不足(異常値など)のある一部データを除外し、より精緻な成婚データだけを扱うため、少し減っています!
今回は、最新のIBJ成婚白書のデータから「IBJの成婚者と退会者の違い」、少し言い方を変えると「IBJの結婚相談所で結婚できる人とできない人の差」について解説してみたいと思います。
念の為申し上げると、「退会者=結婚できない人」というわけではありませんし、中途退会が必ずしもネガティブなことだとは思いません。
実際、マッチングアプリや友達の紹介でお相手が見つかり、晴れてIBJをやめていく人もいれば、相談所で活動してみて改めて独り身の良さを実感し、婚活に終止符を打つ人もいるでしょう。
しかしながら、そうした人たちは中途退会全体のほんの一握りに過ぎないのも事実。
つまり、成婚白書の退会者像が指し示すのは、主にそうでない方の、ネガティブな理由で退会した人たちの行動パターンである可能性が高いのです。
そういう意味では、成婚者と退会者の行動の違いを理解しIBJでの婚活に活かすことは有益だと考えます。
なお、成婚白書には平均値・中央値・最頻値がありますが、違いは以下の通り。ここでは主に中央値でみていきます。
いずれもデータ全体の特徴を表す値ですが、それぞれに得意・不得意があります。
【平均値】
すべての数値を足して、数値の個数で割ったもの
・メリット:すべての値が反映される
・デメリット:極端な値があった場合に大きく影響を受ける
【中央値】
数値を小さい方から並べた時に真ん中に来るもの
・メリット:極端な値の影響を受けづらい
・デメリット:データ全体の変化や比較には向かないこともある
【最頻値】
一番個数が多いもの
・メリット:極端な値の影響を受けづらい
・デメリット:個数が少ない場合は使えない。区間の幅によって結果が変わることもある
IBJの典型的な成婚者像
まずはこちらをご覧ください。
IBJの典型的な成婚者像(中央値)を図にまとめました。
典型的な成婚パターンとして、男性は37歳/女性は34歳で、お見合いを10回前後行い、5名前後と交際し、4ヶ月前後の交際を経て成婚退会するというもの。トータルの在籍期間は男性10ヶ月/女性8ヶ月。男性の年収は600万円台。
いかがでしょうか?
相談所での婚活が未経験の方々は、結婚相談所特有のスピード感や効率性に(良くも悪くも)驚かれるかもしれません。
一方で、これから相談所で婚活始める勢、あるいは、すでにIBJで活動中の方にとっては、
39歳の私はやっぱりもうダメ?
年収400万台じゃ無理ゲーかよ!
かれこれ2年活動してる私は、諦めるべきだと?
お見合い30回以上してる俺、終わってんなぁ…
など、色々と不安を感じられるかもしれませんね。一旦、落ち着いてください。
これらはあくまで「データ全体を一つの数字で表すならこうなるよ」という代表値。
当たり前ですが、40歳以上でも、年収400万円未満でも、活動2年以上でも、お見合い回数30回以上でも成婚する人はいて、それらが含まれた結果です。
この結果は「●●だからOK/NG」という単純な指標ではなく、退会者データと比べることでより有意義な使い方ができると考えます。
IBJの典型的な退会者像
では、同じ指標で、IBJの典型的な退会者像をみてみましょう。
典型的な退会パターンとしては、男性は41歳/女性は36歳で、お見合いを2〜4回して、1名と交際し、成婚に至らず中途退会していきます。トータルの在籍期間は男性は1年ちょい/女性は11ヶ月。男性の年収は500万円台。
成婚者像と比較した場合、年齢は、男性は4歳/女性は2歳と上昇し、男性の年収は100万円幅で下がります。
やはり、結婚するなら少しでも若いに越したことはないですし、男性は少しでも年収が高い方が有利なのはいうまでもありません。
が、しかし!
冷静にみてみると、成婚者と退会者で、年齢や年収には思ったほど大きな開きはないと思いませんか?
たった数歳差、せいぜい100万円です。これらの要素が成婚の成否を決定的に分けるのでしょうか?
確かに、34歳と36歳で劇的に結果が変わるとは思えない
年収100万円upはしたいが、ビビるほどの差じゃないのも確か
成婚者と退会者の大きな違い
そうなんです。注目して頂きたいのは、年齢や年収等のスペック面ではなく、お見合い回数や交際人数、その在籍期間とのバランスといった行動面の方なのです。
成婚者と退会者の行動を改めて比較してみます。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比 (退÷成) |
---|---|---|---|
年齢 | 37歳 | 41歳 | – |
年収 | 600-700 万円 | 500-600 万円 | – |
お見合い数 | 11回 | 2回 | 18% |
交際数 | 5名 | 1名 | 20% |
在籍日数 | 303日 | 379日 | 125% |
見合いペース | 28日毎 | 190日毎 | 6.8倍差 |
男性の場合、成婚者に比べて、退会者のお見合い回数は18%、交際人数も20%と少なく、結果としてたった一人としか交際せずして中途退会、にも関わらず成婚者よりも1.25倍も長く在籍しているのが典型的パターン。
お見合いペース(在籍日数÷お見合い回数)に換算すると、成婚者が28日毎なのに対し、退会者は190日毎と、約6.8倍の開きがある(退会者の方が消極的である)ことが分かります。
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比 (退÷成) |
---|---|---|---|
年齢 | 34歳 | 36歳 | – |
お見合い数 | 10回 | 4回 | 40% |
交際数 | 4名 | 1名 | 25% |
在籍日数 | 242日 | 339日 | 140% |
見合いペース | 24日毎 | 85日毎 | 3.5倍差 |
女性の場合も概ね同様で、成婚者に比べて、退会者のお見合い回数は40%、交際人数も25%と少なく、結果としてやはりたった一人としか交際せずして中途退会、にも関わらず成婚者よりも1.4倍も長く在籍しているのが典型的パターン。
お見合いペース(在籍日数÷お見合い回数)に換算すると、成婚者が24日毎なのに対し、退会者は85日毎と、約3.5倍の開きがある(退会者の方が消極的である)ことが分かります。
退会者は、成婚者に比べてスピード感や行動量が足りていない傾向があるといえそうです。
容姿や身長など、お見合いが成立しづらいスペックのせいで行動に至れなかった可能性は?やっぱり結局はスペックの問題に戻りませんか?
卵が先か鶏が先か、どっちなんですか!
お見合いの申し受け数と申し込み数の違い
それでは、お見合いを組むためのKPIともいえる、申し込み数と申し受け数をみていきましょう。
※申し受け=お相手から申し込まれること。
成婚者の申し受け数(中央値)は、男性38回/女性82回。申し込み数は、男性42回/女性25回。
一方、退会者の申し受け数(中央値)は、男性5回/女性51回。申し込み数は、男性28回/女性14回。
仮に平均値でみたとしても、成婚者>退会者という傾向は変わりません。これまで同様、中央値を使って説明します。
数字を抜粋して、以下の表にまとめました。
まずは、申し受け数から。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 303日 | 379日 | 125% |
申受数 | 38回 | 5回 | 13% |
ペース | 8日毎 | 76日毎 | 9.5倍差 |
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 242日 | 339日 | 140% |
申受数 | 82回 | 51回 | 62% |
ペース | 3日毎 | 7日毎 | 2.3倍差 |
男女ともに、退会者は成婚者に比べて申し受け数が少ないこと(=人気がない可能性)は否めません。
申し込まれるペース(在籍日数÷申受数)に換算すると、男性は成婚者の9.5倍悪い、女性は成婚者の2.3倍悪いということがみてとれます。
ほら、人気がなくて申し込まれないからお見合いも成婚もしづらい!
確かにそうともいえます。
しかし、であるならなおのこと、その不人気を補う努力が必要です。
では、その分、申し込み数でカバーできているのでしょうか?
以下の表をご覧ください。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 303日 | 379日 | 125% |
申込数 | 42回 | 28回 | 67% |
ペース | 7日毎 | 14日毎 | 2倍差 |
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 | 対比(退÷成) |
---|---|---|---|
在籍日数 | 242日 | 339日 | 140% |
申込数 | 25回 | 14回 | 56% |
ペース | 10日毎 | 24日毎 | 2.4倍差 |
申し込み数に関しても、男女ともに退会者は成婚者に比べて少ないという結果になりました。
申し込むペース(在籍日数÷申受数)に換算すると、男女ともに成婚者の半分も申し込んでいない(2倍以上も悪い)ようです。
申し受け数はアンコントローラブルな要素を含むとしても、申し込み数はコントローラブルなもの。自分が申し込むかどうか、ただそれだけのはずです。
結局、申し受けもないのに、それを補う申し込み(行動)も足りてない。
消極的な姿勢で婚活に臨んでしまっている。
これが多くの中途退会者の実情なのではないかと思います。
※ちなみに、成婚者は必ず真剣交際期間(申込不可な期間)を最低1ヶ月は経ていますので、実際に申し込みができた日数は在籍日数よりも少なく、実質的な申し込みペースはもっと濃い(=退会者との差はさらに開く)と予想されます。
お見合いから交際への移行率の違い(女性)
また、お見合いから仮交際への移行率(交際数÷お見合い数)にも特筆すべき特徴が。
【男性版】 | 成婚者 | 退会者 |
---|---|---|
お見合い数 | 11回 | 2回 |
交際数 | 5名 | 1名 |
移行率 | 45% | 50% |
↑男性の場合は、成婚者(45%)と退会者(50%)で仮交際移行率に大きな差は見られないのですが…
【女性版】 | 成婚者 | 退会者 |
---|---|---|
お見合い数 | 10回 | 4回 |
交際数 | 4名 | 1名 |
移行率 | 40% | 25% |
↑女性の場合は、成婚者(40%)に比べて退会者(25%)の仮交際移行率が明らかに低い結果に…
理由として、退会女性は「男性から仮交際を希望されない」というよりも、「なかなか自ら仮交際を希望しない」ということが考えられます。
婚活苦戦中の女性の皆さん、異性を厳しく見過ぎてないでしょうか?
女性が成婚に一歩近づくためには、異性へのハードルの高さ・気難しさを取っ払い、男性を受容することや寛容さを持つことが大事なのかもしれません。
まとめ
- 成婚者と退会者の「年齢・年収」差は、せいぜい数歳・100万円程度
- 成婚者と退会者の「お見合い数・交際数」には、3〜5倍の開き
- 成婚者と退会者で大きく違うのはスペックよりも行動量
- 退会者は成婚者より申し込まれない(不人気)傾向
- そして、退会者は成婚者より申し込まない(消極的)傾向
- 退会者の申し込みペースは成婚者の半分以下
- (女性)退会者は成婚者より仮交際移行率が低い
- (女性)退会者は成婚者より異性を見る目が厳しい可能性
ここから分かることは…
- 積極的にお見合いを申し込むことが大切
- 女性は男性を厳しくジャッジし過ぎてないか注意して!
そもそも、お見合い申し込みの平均成立率は6%程度。15-16人に申し込んでやっと1名成立するレベルなのです。
少し断られたぐらいでめげないこと。
また、お見合い成立率を上げるためにも、お見合い写真やカジュアル写真、自己PRの文章は手を抜かないこと!
年齢や学歴は今さら動かせないけど、写真や文章は今からでも磨ける!
写真や文章の出来映え次第で、申し込み成立率のUPはもちろん、申し受けも増える可能性がありますよ!
次は、IBJ成婚者の年齢別の活動期間(成婚までにかかった日数)に迫ります!